HSPのひとは、周りのひとが気づかないようなことにも、気づいてしまう傾向があります。
- コピーを取ったあと、用紙の残量をチェックする
- ゴミ箱が溜まっていないか確認する
- 書類棚が乱雑に置かれていたら気になる
- 適度な室温になっているか、日差しがまぶしくないか気にする
- 不機嫌なひとがいないか、調子が悪そうなひとはいないか気にする
それと同じように「何かミスしていないか」を常に気にかけています。

完璧に仕事をこなしたいという思いが強いので、何かミスをしたら、必要以上に自分を責める傾向があります。
あなたは、本当にミスが多いのか?
- HSPの人が仕事で、ミスが多いと思う原因
- ミスをしたときの気持ちの切り替え方が分かります
HSPの人が仕事で「ミスが多いと思う原因」

本当にミスが多いのか?
そもそも色々リスクを、予測してからものごとを進めるHSPの人は、ミスすることがとても少ないです。

自分はミスしてばかり・・
そう思っていても、「職場全体」で見たらミスが少ない方かもしれません。
イメージばかりが膨らんで、客観的に見られなくなっています。
1つの小さなミスを、頭の中で何度も思い出して、自分を責めているので多く感じています。
しかも、HSPの人は小さなミスも「大きな出来事」に感じられます。HSPの脳には物事を、深く処理する特性があるからです。

取り返しがつかないことしてしまった・・・
深刻に受け止めているから、自分のことを必要以上に責める傾向があります。
いや、確実に多いというひと
もうひとつ考えられるのは思い込みです。
思い込みは、叱る方にも叱られる方にもあります。
これを「帰属のエラー」と言います。

いつも間違えているから、今回もそうだろう。
決めつけて、相手に責任を求める「外的な」帰属のエラーです。

上司が言うなら正しい。
自分が悪いに違いない・・・
決めつけて、自分に責任を求める「内的な」帰属のエラーです。
帰属が偏っている人は、自分で改善するのは難しいので、他人からの指摘やアドバイスが必要です。
HSPの人が仕事でミスして「落ち込みやすい理由」

失敗を「すべて自分のせい」だと思うからです。責任の感じ方は「4タイプ」あります。
アメリカの社会心理学者パーナード・ワイナーは、4つのタイプに分類しました。


そもそも自分には出来ない仕事だったんだ。
この仕事に向いてないんだ・・。
①自分に原因がある×変えられない
出来事はすべて「自分」の「変えられない能力」によるものと考えるタイプ。
自分には、もともと必要な能力がないから失敗したと考えます。
落ち込みが激しく、モチベーションも底辺まで下がります。

もっと上手くできたはずなのに、努力が足りなかったな。
次はもっと頑張ろう。
②自分に原因がある×変えられる
成功も失敗も「自分」の「努力」の結果と考えるタイプ。
仕事の進め方が悪かった、チェックが甘かったと、自分の努力が足りなったと考えます。
多少落ち込んでも、努力すれば次はうまくいくと希望が持てるため、モチベーションを保つことができます。

業務内容が難しすぎた。
誰がやっても失敗してたよ。
③自分以外に原因がある×変えられない
「自分」の能力や努力ではなく、「課題の難易度」が原因と考えるタイプ。
しかたがないと思うので、さらに頑張ろうというモチベーションにはつながりません。

今回は、たまたまタイミングが悪かったな。
運がなかったんだからしょうがないよ。
④自分以外に原因がある×変えられる
出来事は「自分以外」の「タイミングや運」次第と考えるタイプ。
成功も失敗もすべてが偶然と考えます。
落ち込むこともないし、やる気も出ないし、次につながることもありません。
4つのタイプのうち、「自分に原因がある」と考えるタイプのひとは、落ち込みやすく、自分を責めることになりますが、次につながるモチベーションを保つことができます。
注意が必要なのは、①の「自分に原因がある×変えられない」と思うタイプです。
努力で変えることができない「生まれ持った能力」がないから失敗したと考え、この仕事に向いていないから仕事を辞めよう、転職したほうがいいと思いつめてしまいます。
HSPの人が仕事でミスした後の「気持ちの切り替え方」

周りのひとは気にしていない
普段ミスをしている社内のひとを思い浮かべてください。
こんな風に思いますか?

あのひとはミスばかりして、何をやってもダメで、いいところがひとつもない!
恐らく、こう思ったはずです。

ミスは多いけど、一生懸命取り組んでいたのは知っているし、いいところがたくさんある。
あなたが、思ったのと同じように、他のひとも「ミスをするひと」=「すべてにおいてダメなやつだ」とは思っていません。
そればかりか、周りの人はさほど他の人のことを気にしていません。
ずっと気にし続けているのは、あなただけかもしれません。
完璧じゃなくていい
HSPのひとは、完璧主義な傾向があります。
そのうえ、さまざまなリスクを事前に考えて、ものごとを慎重に進めるため、実際に動くまでに時間がかかります。
途中の段階で上司に相談したり、先輩にアドバイスを求められない人が多くいます。
「仕事は完璧にすべき!」という考えを切り替えましょう。
ミスした原因を客観的に考える
原因を考えてノートに書きだすと、自分の気持ちを客観的に見ることができます。
- 慎重になりすぎた
- 相談したり、アドバイスを求めなかった
- 助けを借りなかった
- できないことを引き受けた
- 乗り越えなければいけないと、無理をした
必要以上に自分を責めない
どれだけ入念な準備をして、慎重に仕事を進めたとしても、ミスは誰でもするものです。
ちょっとしたミスを、「自分はダメ人間だ」「社会不適合者だ」などと、必要以上に自分を責めるのをやめましょう。
ミスした原因を客観的に捉えて、原因を突き止めて反省したら、その失敗のことは考えない。終わりです。
休日は、しっかり休む
休みの日も、仕事で失敗したことが頭から離れないとストレスを感じます。
人間は、行動に意識がないとき、無意識のときに過去の出来事を思い出しやすい傾向があります。
- トイレ、お風呂に入っているとき
- 家事をしているとき(掃除、洗濯など)
どうしてもミスしたことを、ふとした瞬間に思い出してしまうときは、「嫌な記憶を消す方法」をご覧ください。記憶は自分でコントロールできます。
まとめ
仕事で失敗することは誰にでもあります。
ミスをしたときは、冷静になりましょう。
あなたが心の中で、自分を責めている言葉は強すぎます。
「本当にどうしようもない、ダメ人間なのか」
「ミスばかりする社会不適合者なのか」
決してそんなことはありません。ミスをする自分を許してあげましょう。ミスをした原因を考えて、次は気をつければいいだけです。
落ち込んでしまったときの対処法まとめ
- 周りのひとは気にしていない
- 完璧じゃなくていい
- ミスをした原因を客観的に考える
- 必要以上に自分を責めない
- 休日は、しっかり休む
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