【HSPの適職】「3つ」の間違った仕事の選び方|好きを仕事にしてはダメ

適職

HSP気質だと自覚してから、「適職」について考えてきました。漠然と「自分に合った仕事がこの世のどこかにあるはずだ」と思い、今まで何度も転職を繰り返してきた過去があります。

適職を探す上での疑問点
・具体的にどんな条件が揃ったら「適職」だと言えるのか?
・「好きなこと」を仕事にするのは良いことなのか?

この記事を読めばわかること

間違った仕事の選び方がわかります。

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HSPの適職「好き」を仕事にすると長続きしない

HSPの適職

あなたはどちら?2つの「仕事観」

仕事を決めるときに、どちらを基準にしているかによって、2つのパターンに分けることができます。

①適合派
「好きなことを仕事にするのが幸せだ」と考えるタイプ。
「給料が安くても満足できる仕事をしたい」と答える傾向が強い。

適合派
適合派

やっぱり好きなことを仕事にするのが一番!

②成長派
「仕事は続けるうちに好きになるものだ」と考えるタイプ。
「そんなに仕事は楽しくなくてもいいけど給料は欲しい」と答える傾向が強い。

成長派
成長派

仕事は仕事。好きなことは趣味として楽しむよ。

どちらが幸せか?
驚くことに、適合派の幸福度が高いのは「最初だけ」です。

1~5年の長いスパンで見た場合、両者の幸福度・年収・キャリアなどのレベルは、成長派のほうが高い傾向があります。

なぜ「成長派」の方が幸福度が高いのか?

適合派は自分が情熱を持てる職を探すのがうまいが、実際にはどんな仕事にも好きになれない面があるからです。どんなに好きな仕事でも、現実には大量の面倒な出来事が起きます。

  • 経費の精算
  • 対人トラブル
  • 顧客のクレーム処理
  • サービス残業 など

これらの起きたときの考え方が違います。

①適応派
「好きな仕事」を求める気持ちが強いぶんだけ、現実の仕事に対するギャップを感じやすくなります。

すると

適応派
適応派

いまの仕事は本当に好きなのだろうか?
本当はこの仕事に向いていないのかもしれない・・・

という疑念が生まれます。結果、最終的な幸福度が下がります。

②成長派
仕事への思い入れがない分だけ、トラブルに強い傾向があります。

もともと仕事に大した期待を持たないため、小さなトラブルが起きてもこんな風に考えることができるからです。

成長派
成長派

仕事とはこんなもんだ。

HSPの適職「給料」が多くても幸せになれない

HSPの適職「給料」

給料の多さは重要ではない

転職を考えたときに、収入の多さで仕事を選びたくなるのは自然なことです。ですが、収入と仕事の満足度は、ほぼ関係がありません。

フロリダ大学が行った「メタ分析」
「お金と仕事の幸福」について調べた先行研究から、86件を精査した内容です。
アメリカ、日本、インド、タイなどの、あらゆる文化圏から集めたデータを使っています。

メタ分析とは
過去に行われた複数の研究データをまとめて、大きな結論を出す手法のことです。

  • 年収が10%上昇するより、結婚から得られる幸福度の上昇率は「約7倍」大きい
  • 年収が1%上昇するより、健康レベルが「普通」から「ちょっと調子がいい」に改善したときの幸福度の上昇率は「約65倍」大きい
  • 年収が3分の2減ったときの幸福度は、離婚や失業による幸福度の低下率は「同じ」

がんばって世間でもトップクラスの年収を稼いだとしても、結婚や健康の改善による幸福度の上昇には及びません。

収入が増えたからといって、必ずしも「幸福」ではないということです。
幸福を目指すなら、人間関係や健康の改善の方が重要です。

年収が上がっても幸福度は限界がある

令和2年に内閣府が発表した「満足度・生活の質に関する調査」
1万5千人を対象に「世帯年収」と「主観的な満足度」を表したグラフです。

世帯年収と主観的な満足度を表したグラフ
(出典)内閣府 満足度・生活の質に関する調査(2019 年調査・2020 年調査)より

年収5,000万未満までは、ゆるやかに上昇しています。
しかし、ある一定の年収になると、満足度は逆に下降していきます。

これは、1万5千人を対象としたデータであり、2,000万円以上の割合は「1.6%」です。

年収別の割合

なので、必ずしも全員幸福度が上がらないとは言えませんが、やはり際限なく上がるとは考えにくいと思います。

お金持ちが「必ずしも」幸福ではない理由

①お金を持つほど「限界効用」が下がる

限界効用とは
経済学で使われる概念です。
モノやサービスが増えるほど、そこから得られるメリットが下がってしまう現象を表しものです。

例えば

どれだけ好きなケーキでも、本当においしいのは最初の1個だけで、続けて2個、3個と食べていけば、やがて味もわからなくなっていくことです。

それを難しく言うと「限界効用が下がった」と表現されます。

いくら贅沢をしても、すぐに慣れてしまうので、給料アップによる幸福度の上昇は、平均して1年しか続かないと言われています。

②お金の幸福は「相対的な価値」で決まる

給料が「周りと比べて多いか少ないか」で決まるということです。

もしあなたが百万長者だったとしても、周囲が億万長者ばかりだと幸福度は上がりません。苦労して高価な腕時計を買ったとしても、友人がより高い腕時計を持っていれば、そこから得られる幸福度は低下します。

まったく条件が同じ仕事であれば、収入が多い方を選ぶべきです。

ですが、それが最優先ではなく、あくまでも選ぶ要素のひとつにしたほうが良いです。

HSPの適職「楽すぎる仕事」はストレスが溜まる

HSPの適職「ストレス」

僕は以前、車製造のライン作業で3年間働いた経験があります。
給料は良かったけど、反面かなりハードでした。

そして、ホテルマンのときは身体的よりも、精神的にハードでした。

ハードな仕事を経験したひとであれば、次は給料は低くてもいいから「楽な仕事」をしようと考えるひとが多いと思います。

ですが、「楽さ」で仕事を選ぶのも、実はあまりよくありません。

「楽すぎる仕事」も幸福度を下げる

仕事量が少なくて、負荷が低い仕事の方が、ストレスホルモンの量が多い傾向があるという研究結果があります。

これは、ケニアのサバンナで暮らすバブーンを調べた研究で確認されました。

また、ドイツの哲学者ショーペンハウアーが、こんな名言を残しています。

「船荷のない船は、不安定でまっすぐ進まない。

一定量の心配や苦痛は、いつも、誰にでも必要である」

このショーペンハウアーの名言は、楽すぎる仕事が体に悪い理由の一端を示しています。

ほどほどのストレスが重要

ストレスが多い職場が悪で、ストレスがないほど善とは言い切れません。適度なストレスが、仕事の満足感を高めてくれます。

ストレスはバイオリンの弦のようなものです。弦がピンとはりつめすぎれば、甲高い音しか響きません。逆に、ゆるすぎれば濁った音しか鳴りません。

ただし、ブラック企業のような、ストレス過多の職場はすぐに転職するべきです。

良いストレス
ストレスがかかる期間が「短い」(数分から数時間で終わる)

悪いストレス
ストレスがかかる期間が「長い」(数日から数年かけて続く)

体を鍛えるためには、筋トレやランニングで適切な負荷が必要なように、適度なストレスがないと、幸福感と仕事への満足度は得られにくいということです。

まとめ

間違った適職の考え方
間違った適職の考え方は「3つ」
  • 好きを仕事にする
  • 給料の多さで選ぶ
  • 仕事の楽さで選ぶ

この記事では、間違った仕事の選び方をご紹介しました。

では、いったい何を基準に仕事を選べば良いのか?

今後、正しい仕事の選び方についてもご紹介していきます。

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