最近、ビジネス書や自己啓発本を読むことに疲れていました。
読書が少しつらくなってきたときに、この本に出会いました。
阿佐ヶ谷姉妹さんのエッセイ本です。
何気ない日常の大切さを実感する
もともと阿佐ヶ谷姉妹さんは好きでしたが、この本を読んでさらに好きになりました。
お2人は、阿佐ヶ谷の6畳1間で同居しています。このことは、テレビで知っていましたが、同居ならではの小競り合いにクスっとさせられました。
このエッセイは、姉のエリコさんと妹のミホさんが交互にリレー形式で書いています。
それぞれの視点から見る楽しさがあります。
あのとき、ミホさんはこう思っていたのか。と、あとでわかったりします。
自然体な2人の日常
お2人からは「芸能人だから」という意識がまったく感じられませんでした。
良い意味でです。
阿佐ヶ谷の街の人々から、気軽に声をかけられて普通におしゃべりします。
そのなかでも、なじみのお店のお話は、不意に泣かせられました。
そして、いつでも細やかな気づかいができて、相手に寄り添うことができる。だから、こんなに街の人に愛されているんだと感じました。
ミホさん好きのエリコさん
姉のエリコさんが、ミホさんのことをどんなに好きで、大切にしているかがわかります。
お2人は、あくまでコンビであり、血縁関係はありませんが、ときに母のようであり、本当の姉のような目線でミホさんを見ています。ですが、ミホさんは本来ひとりっ子で、動物で言えば猫のような性格のため、ときには「あ~お姉さんが多いわ。エリコ過多だわ」と言われます。
「エリコ過多」とは、仕事でも家でも一緒で、ときにはひとりの時間がほしいという言い回しです。
お2人の性格の違いと、ミホさんに振り回されがちなエリコさんに癒されます。
- 姉エリコさんから見たミホさんは・・「97点」
- 妹ミホさんから見たエリコさんは・・「53点」
この点数の差が、絶妙なおもしろさを出しています。
今の生活に感謝して生きる

ない物よりも、ある物に目を向けている
人間は、ついつい「ない物」に目がいきがちです。
・もっとこんな生活をしたい
・大きい家に住みたい。かっこいい車になりたい
・恋人がほしい
これは、姉エリコさんの言葉です。
男性とのご縁にはあまり恵まれなかったけれど、お煎餅屋さんはじめ、お隣の大家さん、周りのご近所さん、これだけ良いご縁に恵まれたのだから、これ以上何かを望んだらバチが当たりそうです。
「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」より
ハッとさせられました。
今ある物に目を向けられる。感謝の気持ちを持てるエリコさんは素晴らしいと思いました。その人柄がテレビを見ている人にも伝わるから、こんなに愛されて長く活躍されていると感じました。
同居生活から引っ越しまで
エッセイ執筆中に、引っ越しする話が出ます。
長い同居生活から、どのような生活に変わるのか、その過程が一緒に物件を探している気持ちにさせられます。
今の生活がどのように変わるのか、変化することの期待と不安です。
今がベストではないと感じるけど、変わることはどこか怖い。どんな部屋に住もうと、お2人の人柄や関係が変わることはないと思っていますが、ドキドキしてしまいました。
この引越しのエピソード中も、今までふたりが築いてきたご近所さんや大家さん、街の人々の関係性がわかります。
最後に
このエッセイは、とても読みやすくて1日で読み終えてしまいました。
読んだあとは、心地良い気持ちになれます。
そして、お2人をさらに好きになること間違いなしです。
出会うべくして、出会ったふたりなんだと感じました。
どこかで、読書=勉強という意識になっていましたが、あらためて読書の楽しさを思い出した1冊でした。
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