過去に10年くらいホテルマンをしていました。
フロント業務です。
自分がHSPの気質があることを知らない時期でした。
今思えば、かなり無理をして働いていたと思います。
これからホテルマンに転職しようと考えている方の、参考になれば嬉しいです。
HSPの仕事体験談「ホテルマン」
札幌の繁華街にあるビジネスホテルで働いていました。
ホテルの規模は250室で、最大宿泊人数500名くらいです。客層は「ビジネスマン」から「ご家族連れ」までさまざまでした。
- 市内で有名人のコンサートがある
- 雪まつり、よさこい祭り など
SMAP、嵐のコンサートは別格のイベントでした。日にちが発表されると同時に予約が埋まります。雪まつりはツアーのお客様、よさこいは出場するチームの宿泊が多かったです。
毎年5月~9月頃は、北海道のオンシーズンで、毎日満室なんてことが普通の月もあります。

仕事内容
フロント業務
- チェックイン、チェックアウト
- 宿泊準備
- 電話応対
- インフォメーション
- 予約入力、変更、キャンセル
デスクワーク
- データ入力(口コミの返信、HP修正、日々の売上入力)
- 資料作成(毎週の会議資料、プラン作成)
フロント業務以外にも、実はいろいろやることがあります。
僕がいたホテルでは「ネット予約」はFAXで届き、それを手入力していました。だから常に予約入力に追われます。
当日の予約や、翌日の予約は最優先で入力します。
電話の応対にも追われます。
- 予約の確認
- 荷物を事前に送りたい方からの問い合わせ
- 忘れ物の問い合わせ
- 当日宿泊客の道案内 など
- 部屋に持って来てほしい(ワインオープナー、爪切り、タオルなど)
- テレビが映らない
- 電球が切れた
- マッサージを頼みたい
勤務形態は、4シフト
- 朝番
- 昼番
- 遅番
- 泊まり
泊まりは、夕方から翌日の朝まで勤務です。
数時間仮眠をとります。僕はいつも寝れなかったので、起きて携帯を見ていました。
HSPは仕事でメンタルをやられやすい

ホテルには、いろいろなお客様が来ます。
その中でも、いまだに覚えているお客様2組です。
ゴールデンレトリーバーを盲導犬と言い張る
家族4人連れのお客様です。
みんな目が見えるのに、盲導犬だと言い張ります。
ホテルとしては、盲導犬の宿泊は拒否できません。
こちらが何を言っても聞く耳を持ってもらえず、盲導犬の一点張りです。
話をしている間、ゴールデンレトリーバーは自由にいろんな場所の匂いを嗅いでいます。

ハーネスも付けていません。
結局、従業員用のエレベータを毎回従業員同伴で使用して、他の方の目に入らないように対応することで宿泊されました。
チェックアウトまで、お客様はずっと逆ギレしています。
ちょっと理解できませんでした。
人違いで怒られる
その夜1人のビジネスマンが、チェックインに来ました。後輩の男性従業員が対応しました。
部屋の希望があり、調整することになりました。

禁煙室の上層階にして。
かなり混みあっている日で、要望に応えられるか微妙です。
後輩が事務所に入り、必死に調整していました。
そこに僕が休憩から戻り、フロントに出ました。
奥のフロントカウンターに行き、別の待たれているお客様のチェックインを始めました。
すると、先ほどのビジネスマンが急に大声で怒りだしました。

いったい俺の対応は誰がするんだ!
僕がチェックインを終えて、その方に「今、事務所の方で部屋を調整させていただいています」と説明しましたが、「誰がするんだ!」とデスクをバンバン叩いて怒り続けます。
しょうがないので事務所の後輩に、調整が不十分でも、すぐ入れる部屋教えてもらい、鍵を持って部屋までご案内しました。
部屋の中でも怒られているので、時間がかかってしまったことを再度謝罪しました。なんとか落ち着きましたが、翌朝支配人が再度謝罪されました。
支配人によると、ビジネスマンはこう言っていたそうです。

最初に対応していた奴が、別の客のところに行って俺から逃げたんだ。
どうやら、僕のことをずっと後輩と、同一人物だと勘違いされていました。
たしかに、2人一緒にフロントにいるところを見られていません。入れ違いでフロントに入りました。
男性の髪型は、みんなオールバックなので、雰囲気が似ています。背格好もそれほど変わりません。
怒っていた理由が判明したと同時に、そんなこともあるんだと愕然としました。
他にもたくさんありますが、長々書いてしまったので、これくらいにします。
家に帰って寝付けない
勤務形態が不規則なこと。今日あったことをいろいろ考えてしまって、いつも寝つきが悪かったです。
あまりにも寝れない日は、睡眠補助薬を飲んでいました。
その頃は、「クレーム」「支配人を出せ」という言葉に過剰におびえていました。その言葉を聞くと、胸がキュッとなります。
HSPが仕事で気を付けていたこと
勤務していたときは、「これが起きたらテンパる」と自覚していたので気を付けていたことです。
マルチタスクにならないようにする
常に制服のポケットに、透明のカードケースを入れて頻繁に見ていました。
表面に書くこと・・今取り掛かれて急ぎの仕事
裏面に書くこと・・すぐには出来ないけど、期限が決まっている仕事
いつも漠然と、仕事をいっぱい抱えている気になってしまいます。そんなときに、カードケースを見て、焦っても今はこの仕事しか出来ない。
やることがいっぱいあるように感じるけど、目で見るとそうでもない気になる。
それこそ、一日に何度も確認していました。
次に、HSP気質がいい方に働いたことです。
慎重に物事を運ぶ
資料を上司に提出するときは、自分がいいと思ったものと、上司が好みそうなものの2パターンをあらかじめ用意しておく。
会議には、質問を想定して答えをいくつも用意しておく。
まとめ
結論:メンタルに気を付ければ、ホテルマンは向いている。
HSPは感受性が強い傾向があります。
なので、チェックインに来るお客様の様子で、どんな気分なのかがある程度わかります。
- 歩くスピードや歩幅
- 表情
- 口調(早口)
- ペンの取り方
- 相づちの打ち方(目を見ない、喰い気味で話してくるなど)
- 荷物の置き方
急いでいる人には、のんびり案内していたら気に障り、馬鹿にされていると感じます。
大事な案内を聞いてもらえるように、急いで対応している雰囲気を出す。
また、他に気にしていることがあると、こちらの話は耳に入りません。先に質問を聞いてからご案内する。
逆に、穏やかでゆったりした人には、合わせてゆっくりと話します。
いろいろ気にしながら接客していました。
自分がHSPという生まれ持った気質があることを、働いていたときに知っていれば、もっとよい対処が出来たと思います。
そうゆう意味でも、HSPという言葉がもっと認知されてほしいです。
マルチタスクにならないように、カードケースを持ち歩く方法を、みんなにすすめていました。けど、誰も実行している人はいませんでした。
今思えば、テンパっていたのは自分だけで、みんな非HSPで平気だったのかなと思います。
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