これから工場で働いてみようと考えている人に向けて「工場とはどんなところか」「働いて分かったこと」です。
某有名車工場で3年働いた体験談です。
HSPの仕事体験談「某車工場」
働いていた工場とは、世界的に有名な車の工場です。
場所は愛知県豊田市で、地元の北海道から移住しました。
会社が借り上げたマンションの一室を、寮として使っていました。8畳の1K。割と快適でした。
他の部屋には会社の人以外の、一般住民も住んでいます。
派遣会社経由で勤務
そこには、主に4つの派遣会社が入っていました。
なので、同じ派遣でも会社が違います。
正社員の方から見ると、会社が違うことが驚きのようです。制服が違うわけでもないし、同じに見えます。
派遣会社で1週間の研修
工場に実際勤務する前に研修があります。
安全についての座学や、ボルトを打ったり、紐かけのシミュレーションをします。研修中は、誰がどこに配属されるか分からないので、いろいろやりますが、実際に仕事で役だったことはありませんでした。
一番きつかったのが、声出しです。
なぜか朝、会社の駐車場に集合します。1人ずつ駐車場の反対側に行き、みんなに向かって1分間好きなことを大声で話します。
ホント意味がわかりませんでした。
あとは、公園に行って軍隊のような整列や、腕立て伏せなどもありました。
この時点で、今後やっていけるか相当不安でした。
一週間の研修の後に、配属先を言い渡されて、翌週から勤務です。
仕事内容
同じライン作業と言っても、部署が3つあり、それぞれ仕事内容が違います。
- 車体部門
- 塗装部門
- 組立部門
車体でボディーをつくり、塗装して、組み立てるの流れです。
僕は塗装部門でした。
恐らく、若くて動ける人を中心に組立に配属されていたんだと思います。
僕はその時38歳でした。
うわさでは、組立が一番キツイと聞きます。
なので、配属を聞いたときはホッとしました。
タクト〇秒と決められていて、例えば58秒であれば、自分の作業エリアに車体が到着したら、58秒以内に作業を終わらせるという感じです。
もしも、作業が遅れたら「頭上にあるヒモ」を引いて、ラインを止めるか、リーダーを呼びヘルプに入ってもらいます。
もちろん、ラインを誰かが止めると「一斉に作業中断」なので、みんなヒモを引かないように必死です。
HSPの仕事体験談「工場勤務を選んだわけ」
人と接する機会が少ない
前職が、ホテルマンやコールセンターだったので、もう人と関わりたくないのが一番の決めてです。
健康で、まだ体が動くうちに工場勤務をやってみようと思いました。
なにをするにもお金が必要なので、お金のためと割り切って仕事をしようと思いました。今後やりたいことができたら、その時にそのお金を使おうと考えていました。
HSPの仕事体験談「工場で働いたら分かったこと」
ライン作業がさほど苦じゃない。
やってみて分かりましたが、自分の作業範囲が決められていて、決められた手順の仕事をしていれば、その日の仕事をやりきったと胸を張れる状況が良かったです。
もっと、こうすれば良かったとか、もっと上手く出来たはずだ。なんて考えません。
自分の使命を果たせたと思うんです。
頭は楽だが、体がしんどい
肉体労働は体のケアが大事です。その日の夜のうちに、疲れを取らないと次の日がキツイです。
毎日やっていたこと
- 寝転がって10分くらい、足を心臓より高くして、血流を流す
- 必ず入浴剤を入れた湯船につかる
- ストレッチして体をほぐす
- 必ず朝食を食べる
- 昼食は食べ過ぎると動けないので、少しにする
疲れが溜まってきた水曜日以降やること
- ふくらはぎに、ちょっと高価なシップを貼る
- 入浴剤をメディカルバブ(ちょっといいバブ)にする
- ストレッチの時間を長くして入念にほぐす
長期的にやっていたこと
- 立ち仕事用の締め付ける靴下を履く
- 靴底クッションを自分で用意して入れる
- 足専用マッサージ機をたまに使う
いろいろやりながら頑張りましたが、体重は5キロくらい落ちました。
たくさん食べても、それ以上に動くので、必然的に痩せていきます。
工場の仕事を辞めた理由
このまま働いていいのか疑問を持つからです。
もっと他の仕事を探した方がいいのか?
やるべきことがあるんじゃないか?
こんな考えが、いつも仕事が慣れてきた数年後にやってきて、辞めるのがパターンでした。
こうゆうふうに考える理由が分かったので、詳しくはこちらに書いています。
ただし、今回だけは違う理由でした。
北海道に住む家族に病気が発覚したため、近くに居てあげたくて辞めました。
今後、工場勤務を考えている方へ
工場は僕の性格、気質に合っていたんだと思います。
恐らく今、読んで頂けている人は工場未経験で、今後転職しようか考えている方だと思います。
僕の感想
お金のためと割り切れる人には、向いている。
ただし、実は他にやりたいことがあるとか、仕事にやりがいを求めている方にはオススメ出来ません。
今やりたいことが思いつかなくて、何をしたら良いか考え続けても分からない。でも、生きていかなければいけない。
そんな時に、今後やりたいことができた時のために、今はお金を貯めよう。考えすぎて、もう思考停止させたいという方にはピッタリです。
こちらの記事で書きましたが、僕は考え過ぎて、もう考えたくなかったんです。
自分の将来を考えないのは悪いことだ。真剣に考えるべきだ。
ということさえ、考えたくなかった思いでした。
HSPは、普段から深く考える傾向があるので、仕事という大事な選択は、頭から煙が出てしまうくらい考えていると思います。
ですが、どんな仕事に就いても、無駄になることはないと思います。キャリアを積みたい方には不利かもしれません。けど、どこにいても幸せは感じれるし、良い経験にもなります。
異業種への転職
どんなひとが働いているのか?仕事は自分に務まるのか?
いろんなことが未知で、すごく怖いと思います。
僕も工場に入る前は、体育会系のノリで気が合う人なんていないだろうと思っていました。けど、みんな同じように悩み、葛藤を抱えた、真剣に生きる人ばかりでした。友人も出来ました。
偏見や恐怖を一度捨てて、飛び込んでみるのも良いと思います。
合わないと思えば、次を探しましょう。
コメント
工場勤務の盲点のひとつに「QCサークル活動」があります。HSPに向いている仕事の1つに紹介されていますが、QCサークルの活動がされていることはあまり知られていないようです。
活動内容ですが、職場での困ったことや、やりずらいなどの点をテーマにあげ、チームで話し合い、改善していき、最終的に発表する場です。
チームワークで何かをすることが苦手なHSPにとって、QCサークル活動は地獄です。
製造業のほとんどで活動していますので、HSP向けとは言えないと思うのです。
転職を検討されている方に参考になればと思います。
まい様
コメントいただきありがとうございます。
おっしゃる通り「QCサークル活動」がありました。
ただ、僕が勤めていた会社は、あまり厳しくなかったです。
毎月のことなので、先月までに出した案を少し変えるだけで良かったり、新しく出した案でも頭ごなしに否定されることがありませんでした。
穏やかなひとが多いチームだったので、意見を出しやすい雰囲気で、あまり苦痛に感じませんでした。
転職の参考になればと、工場勤務をブログに書きましたが、やはり実際に入ってみないと分からないことが多いと思います。
その中でも、一緒に働くひとたちとの相性はとても大事だと感じています。
拙いブログにコメントで補足していただきありがとうございます。
まいさんのご意見も、転職を考えている方の参考にしていただきたいと思います。
そうでしたか。こちらでも一時期はQCサークルがおろそかになったことがありましたが、現在ではきっちりと、担当部署で管理され、進行役なども必ず回ってくるし、何か意見をいわなければならない環境になってきており、HSPである私にとっては、この時間が地獄でしかありません。
QCサークル進行役や、リーダーなどは普段の仕事のほかに、資料をまとめたりしなければならないので、非HSPでも大変です。
HSPさんで製造業を御検討されている方は、こんな活動があるということを頭に入れておくといいかもしれません。間違いなくHSP向きではありません、