アダルトチルドレンのなかでも、自覚がなく克服に時間がかかるのが「ケアテイカー」タイプです。
親のグチを聞いたり、家族のお世話をする、「とても気が利く」「思いやりがある」「やさしい子」です。良い事ばかりに見えますが、ケアテイカーが大人になると、ツラい思いをすることが多くなります。
それは、周囲から頼られることが多く、期待に応えるために、自分を後回しにしてでも引き受けてしまう傾向があるからです。
心のなかでは、こんな風に思っています。
誰かの役に立たないと、自分の存在価値を感じられない。
相手に尽くさなくても、自分には価値があると思うことが克服する方法です。
アダルトチルドレン「ケアテイカー」タイプの特徴
ケアテイカーとは、別名「なぐさめ役」「リトルナース」「世話役」「小さなカウンセラー」
家族を癒したり、支えるしっかり者です。
相手を支え、感謝されることを生きがいにするため、共依存関係になりやすく、母娘の関係に見られやすい傾向があります。
頼まれたら断れない
他のアダルトチルドレンのひとにも見られることですが、ケアテイカータイプは心境が少し違います。
相手からの「期待」は、少し重荷ではあるけれど、必要とされることで心が満たされます。誰かが困っていると、率先して助けようとします。
なので、困ったと思いながらも、相手のためになるならと、自分を犠牲をしてでも応えてしまいます。
人助けすることは、とても素晴らしいことです。
ただし、過度な自己犠牲を払ってでも、ひとのために動いてしまうのがケアテイカーの特徴です。
結果、「相手はあなたにどんどん甘える」ようになり、「あなたに頼めば引き受けてくれる」という認識になります。やがて、一度でも断ると手のひらを返したように、暴言を吐かれたり、悪者にされりします。
ダメな人と離れられない
いつもダメなひとと付き合ってしまう。
- ギャンブル狂いでお金を要求される
- 不機嫌になると暴力をふるう
- 浮気をしても開き直って逆ギレする
そんなダメなひとから、なかなか離れることができない。
他のひとからは、「別れた方がいい」と言われますが、離れることができません。
誰かの役に立つことで、自分の存在価値を感じられるからです。
私がなんとかしてあげなくちゃ!
こういった思いから、ダメな人の「依存」を悪化させます。
相手の依存症を悪化させてしまうのが、ケアテイカータイプの特徴です。
最初は普通だったのに、相手を依存症の体質に育ててしまうこともあります。これは、男性女性、恋人、夫婦に限らず、職場の人間関係でも起こります。
生きづらさを感じていても、自分の感情にフタをして気づかないようにするので、友達から指摘されても納得できない。
限界を超えてからじゃないと気づけない場合が非常に多いです。
共依存体質
ケアテイカーは、「相手の感情を敏感に察知する能力」に優れているひとが多いです。
HSP気質と同じように、共感力がとても高いのが特徴です。
本来、ひとの気持ちが完璧にわかるひとは存在しませんが、「自分は、ひとの気持ちがわかる」と、わかったつもりになっています。そのため、思っていたのと違ったり、うまく察知できないと、とても不安になります。
相手が喜ぶ言葉などを選び、献身的に尽くすため、知り合ってすぐに相手の信頼を得ることは簡単にできます。
しかし、そこから先はずっと「見捨てられる不安」が付きまといます。
自分がいなくても平気=見捨てられる
と、思い込んでしまいます。
相手の話を聞き、癒されて相手が自立することに、恐怖を感じてしまう。という矛盾を引き起こしています。
そして、相手もあなたの不安を感じ取ってしまい、お互いに不安になるという共依存になります。
※注意
あくまでも、本人は無自覚なので、自立しないようにコントロールしてやろうとは、まったく思っていません。
ケアテイカータイプになる原因
子どもの頃の家庭環境が原因です。子ども側には一切非はありません。
家族の世話をして育った
誰かのお世話をしないと、家が機能しなかった環境です。
両親が不仲で、親のグチを聞く役割をしていた。
または、親に変わって、下の子のお世話をしなければならなかった。
本来、親がやるべきなことである「家族のお世話」をしなければいけない環境だったため、自分の気持ちを押し殺してでも、相手のために尽くすことが身に付いてしまっています。
他には、「気が利かない子」「もっと気をつかえ」と親に言われることも原因になります。
この価値観のまま大人になるため、それ以外の生き方がわからなくなります。
母と娘の関係性が多い
夫婦でうまくいっていない母親を、娘がなぐさめるという関係です。
お母さん、私がついてるよ。元気出して。
あなただけが頼りよ。あなただけが味方よ。
最初は重荷に感じていても、やさしさから話を聞くうちに、自分の意思が見えなくなり、自分自身がわからなくなった状態になります。
人間として自分の意思がなくなることはありません。
意思がなくなるのではなく、見えなくなります。
親子で助け合って生きることは、とても素晴らしいことです。
しかし、親子関係の共依存になってしまうことが、ケアテイカーになる原因です。
アダルトチルドレン「ケアテイカー」の克服方法
アダルトチルドレンの5つのタイプのなかでも、克服に時間がかかるのがケアテイカータイプの特徴です。
それはなぜか?
人のお世話をすること自体は、正しくて美しいことだからです。
そんな自分がなぜ、変化しなけらばいけないのか?
克服する必要性が感じられません。
人助けのなにがいけないの?
自分が変わってしまったら、あのひとはダメになってしまう。
このような考えから、変わることに拒否反応をする場合があります。
ケアテイカータイプは、周りから喜ばれて、受け入れられやすかったため、ますます抜けにくくなるという特性があります。
状況を考えてみる
「周りのひとに尽くす状況」を本当に自分が選んでやっているのか?
それとも、他のひとに振り回されているのか?を考えてみる。
本心で、その状況を選んでいるのであれば、無理に変わる必要はありません。なので、生きづらさの原因がほかにあることが考えられます。
もしも、他のひとに振り回されて選んでいるのであれば、子どもの頃に染み付いたクセの克服が必要になります。
原因を自覚する
自分の生きづらさの原因を自覚することです。
自覚することで何が変わるのか?
自分では気づいていなかったところを、友達などに指摘されたときにケアテイカータイプの特徴のせいだと、受け入れられるようになります。
尽くさなくても嫌われないことを知る
自分は、「価値がない空っぽの人間」だという間違った思い込みを外すことです。
尽くしているから自分に価値があるのではなく、尽くさなくてもあなた自身はすでに価値がある存在だと気づくことです。
ケアテイカーは、悲しんでいるひと、困っているひとを助けたいという思いが強く、やさしさに溢れています。
それは、とても価値があることです。
自分には「すでに価値がある」と思うことが、克服する方法です。
存在自体に価値を感じて、自己肯定感を上げることで、尽くさなくても嫌われないし、愛されるんだと知ることができます。
今まで、他のひとに向けていた「やさしさ」を、自分に向ける。すると、「自分の意思」が表れてきます。
ダメな克服方法
無理に他者への接し方を変えたりするのは、逆効果になる場合が多いです。
うまく克服することができずに、「やっぱり変わるなんてできないんだな・・」となってしまい、克服自体をあきらめてしまうということになります。
まとめ
アダルトチルドレンは、他にもさまざまなタイプがあります。
・ヒーロー(英雄)
・スケープゴート(生贄)
・ロストワン(いない子)
・ピエロ(道化師)
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