HSP気質を、身近なひとに自分のことをわかってもらえないのはツライものです。
大切なひとだからこそ、自分のことを理解してほしいという思いが強いほど、「期待通りのリアクション」がなかった時に、傷つくことになります。
なぜ、理解されないのか?
HSPをなぜ理解してほしいと思うのか
刺激に敏感なことや、深く考えることは、「性格」ではなく「気質」であり、気持ちの持ちようで治るものではないということを知ってほしいからです。
HSP気質の特性を知らないと、頑張れば克服できるものという勘違いが発生します。
ビジネス書を読んで、同じようにできない自分に落ち込む。
転職を繰り返す自分を「ダメ人間」だと思い込む。
これらには、理由があります。
傷つく言葉を言われたくないから
そんなの考えすぎ!気にし過ぎだよ!
ちょっと神経質なとこあるよね。
もっとメンタルを鍛えて、打たれ強くなりなよ。
これらの言葉は、HSPという言葉を知る前まで「自分が自分に言っていた言葉」のはずです。
多くの人と感じ方が違うことを知らず、同じように出来ない自分に心のなかで言っていた言葉です。HSPを知ってから、必要以上に自分を責めることは減りましたが、今度は周りのひとにも知ってほしいという思いが膨らみます。
「考えすぎ、気にしすぎ」と思っていたことは、ものごとを深く考える気質からです。
「心が弱い」のではなく、自分よりも相手を優先してしまったり、完璧主義だからです。
完璧じゃない自分を必要以上に責めているから、追い込まれやすいんです。
そのことを知ってほしいから、相手にも理解を求めるということです。
不快に感じることをやめてほしいから
これらは多くのHSPさんにとって、不快に感じることです。話を途中で遮られると、また話はじめるまでエネルギーが必要になります。返答するまでに時間がかかるのは、何も考えていないわけではなく、いろいろ考えているから返答に時間がかかります。
人混みは、さまざまな刺激を受けて疲れを感じます。
非HSPさんにとってはなんでもないことでも、HSPさんには頑張らないとできないことだと知ってほしい気持ちから、相手に理解を求めます。
キャパオーバーになったときに伝わりやすいから
今度の週末デートする約束だったのに、日にちが近づくにつれてやっぱり行けないときがあります。心身のコンディションによって、なかなか頑張れないときです。
非HSPさんには理解しにくいことですが、HSPさんには「これ以上周りの刺激に耐えられない」ときがあります。
「デートに行きたくない」「2人で過ごしたくない」ではなく、「コップの水があふれる一歩手前で、一旦ブレーキを入れる」感覚です。
こんなときに、事前にHSPについてパートナーに話していれば、変に誤解されず気持ちが伝わりやすくなります。
HSPが理解されない理由
多くの場合は、悪気があるわけではありません。
理解するには、どのくらいの情報が必要なのか?
それは、あなたが自分のことをHSP気質だと「自覚するまでに集めた情報」だけでは足りません。
もっとも理解に必要な「実際にものごとを敏感に感じた経験がない」からです。
非HSPさんが理解するためには、想像を膨らませるしかありません。
想像を目いっぱい働かせた結果理解できなくても、それを責めるのは違うということです。
HSPを理解してもらうにはどうしたら良いか?
分かりやすい伝え方をする
「こんな自分は弱い」とか「相手に迷惑をかける」と自分を卑下したり、自虐的にならないことです。あくまで「ありのままの自分」を伝えることです。
あなたが弱点だと思っていることは、「甘え」でも「劣っているところ」ではありません。ひとと違うことは「強み」にもなるところです。
まずは、自分自身がHSP気質を正しく理解した上で、理解してもらいたい相手にわかりやすく、正しく伝えましょう。
自分の考え方を変える
「わかってもらいたくて何度も伝えるけど、わかってもらえない」というときは、目標を「わかってもらう」から「情報提供」に切り替えてみましょう。
「わかってもらおう」「納得してもらおう」とするのではなく、「私はこう思う」と、ただ情報提供をするという考え方にする。
これらは、すべて相手に対するコントロールです。
自分の考えや、やってほしいことを伝えるところまでが「自分の領分」
伝えられたことに共感するかどうか、納得するかどうかは「相手の領分」
聞いたあとにどう考えるかは、相手が決めることです。
「わかって! 」という相手に対するコントロールを手放すと、自分も相手も自由になります。
相手の言葉を聞く
「理解してもらいたい」という自分の想いが強すぎて、相手の言葉を聞いていない場合があります。
「理解したくない」ではなく、「わからない」と言っているはずです。
それは「理解しようとしてみたけど、理解が及ばない」ということです。
理解しようとしてくれたことに感謝しましょう。
「わからない」という言葉は、相手にとっての精一杯の「誠実さ」である場合があります。
まず非HSPさんのことを理解する
非HSPさんのことは理解できていますか?
自分が理解してもらえたら嬉しいと思うように、非HSPさんだって同じです。非HSPさんが受け取る感覚を、本当の意味で理解していますか?
「上から目線」や「嫌味」な感じではなく、純粋に「自分とは違う感じ方」としてです。
上から目線や嫌味は、HSPさんが言われたら傷つくことばと同じことを非HSPさんに言っています。
自分のことは理解してほしいのに、非HSPさんのことは「鈍感でうらやましい」と思っていたら、互いに理解することは難しいです。
まとめ
たとえ家族や友人であっても、すべてにおいてわかってもらうことはできません。
「わかりあいたい」と言いながら、「私と同じ考え方や感じ方をしてほしい」と求めてしまっていることもあります。
「わかりあうこと」を手放すと、考え方や感覚のちがう相手とも、良い関係を築くことができます。
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