自分や周囲のストレスに、早めに気づくために、ストレスにつながる「思考パターン」を知っておきましょう。
無意識にこのようなストレス思考を続けると、うつ病の発症リスクを高めてしまいます。
いつも失敗ばかり・・
みんな私のことを「ダメなやつ」だと思ってるはず・・
ストレス思考パターンをチェック
ストレス思考① 認知のゆがみ
うつ傾向の人に、よく見られる思考パターンに「認知のゆがみ」があります。代表的なものが、一部の出来事から「すべて」に思考を広げてしまう考え方です。
- いつも・・・数回の失敗でも「いつもダメだ」と思い込む
例)試験に落ちてしまった。私はいつも失敗する。 - みんな・・・本来は数人のことが「みんな」と思い込む
例)上司に叱られた。みんな私をダメだと思ってる。 - 絶対・・・100%の「絶対」などないのに、決めつけてしまう
例)絶対に私は、何をしてもダメだ。
「認知のゆがみ」対策
「いつも」「みんな」「絶対」という言葉を使わないようにすることが大切です。
ストレス思考② スキーマ(自動思考)
スキーマとは、人が無意識にもっている「〇〇でなければならない」という固有の価値観のことです。こうした思考は、頑張るエネルギーにもなりますが、問題につながってしまうこともあります。
- 社会的に成功せねばならない
前向きなエネルギーにもなる思考です。しかし、ちょっとした失敗で「もう人生終わりだ!」と必要以上に落ち込むことにつながります。 - すべての人から愛されなければならない
みんなに愛されたいと思うのは自然なことです。しかし、この気持ちが強すぎると、少しの批判で落ち込みやすくなります。 - すべてが完璧でなければならない
完璧主義の人ほどストレスを感じやすい。悪いことではありませんが、一度のミスで「もう終わりだ」と思い、投げやりになってしまいます。
「固有の価値観」対策
「〇〇でなければならない」ではなく、
「〇〇にこしたことはない」と思い、気持ちをラクにしましょう。
ストレス思考③ 原因を「自分」に求めすぎる
物事がうまくいかないときや失敗したとき、その原因をどこに求めるかは、次の4つに大きく分けられます。
「自分の努力不足だ」と思う人は、ストレスをためやすいタイプです。
- 才能・能力のせい
「自分には才能がないからしかたがない」と思う人は、何事にも投げやりな傾向があります。自分に原因があると思いながらも、あいきらめているネガティブ思考。 - 努力のせい
「自分の努力が足りなかった」と思う人は、ストレスを感じやすいタイプです。常に努力しようとするため落ち込みやすい傾向があります。ただし、向上心があり、成長するタイプでもあります。 - 課題の難易度のせい
「難しかったからしかたがない」と、責任を自分以外に向けている人は、ストレスが少ないタイプです。ただし、目標が低くなりがちです。 - 運のせい
「運が悪かった」と思うタイプは、かなり楽観的思考です。ストレスとは無縁かもしれませんが、反省しないので成長はしません。
「自己原因」対策
失敗の原因を客観的に捉え、「自分のせい」だと責め過ぎない。
次に、ストレスが溜まっているときに、出やすい症状について見ていきます。
こんなストレス症状が出たら注意
以下の6点は、悩みや考えごとがあるときに、出てきやすい兆候です。
自分のことはもちろん、周りににも以下のような兆候があれば、疲れているサインです。
- 口数が減る
極端に口数が少なくなった。話かけてもうなずくだけの場合がある。 - 反応が遅い
話かけると返事は返ってくるけど遅い。また、聞き返すことが多くなった。 - 表情に違和感がある
無表情の時間が長くなった。不自然な笑顔になる。目を見て話さないなど。 - 音に敏感になる
周囲のささいな音に足して「うるさい」と感じやすくなる。これはストレスを抱え、心が疲れているときになる症状です。 - 言い返すことが増えた
言われた言葉に対して、「そういうわけじゃないけど」「だって・・・」などと、不快な反応を示すことが多くなる。 - 情緒不安定になる
急に怒り出したり、泣き出したりすることがある。
周りにこんな人がいたときは、どうしたら良いか?
励ましの気持ちから「頑張れ!」と言いたくなりますが、その言葉は危険です。
すでに十分頑張っている人には、プレッシャーに感じてしまいます。「頑張りすぎないで」という気持ちで、見守りましょう。
まとめ
ストレス思考になっていることを、自覚することが大切です。
考えすぎている。
ネガティブな思考になっている。と感じたときは、以下の3点に気をつけましょう。
- 「いつも」「みんな」「絶対」という言葉を、意識して使わないようにする。
- 「〇〇しなければならない」→「〇〇にこしたことはない」と考える。
- 失敗を自分のせいだと思いすぎない。
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