もしかして、自分は嫌われているかも?
と感じることがあります。
いくら考えても、そのひとに対して嫌なことをしたり、気にさわることをした記憶がない。何か理由があるはずだと、考えてもわからない。そのうち、職場の人間関係すべてがめんどうでツラくて、リセットしたくなり、転職を考えた経験はありませんか?
僕はあります。
人と関わること自体が嫌になって、なるべく人と接しない仕事を探したりもしました。
HSPさんは特に、他者の感情を多く受け取ってしまうため、相手の嫌いという信号を残さずキャッチしてしまい、傷つくことが多くなります。
心当たりがないのに嫌われる理由
答えはズバリ、「理由がありません」
無条件で、あなたのことが嫌いなんです。
そんな理不尽なことが、この世にはあります。
「嫌いなひと」や「苦手だな」と感じるひとが、あなた自身にもいるはずです。
いくら考えても、そんなひとはいない。みんな大好きです。という人は、人を嫌いになることに罪悪感があって、その感情を認めないようにしているだけです。
人を嫌いになるのは、世界に生きるすべてのひとが持つ感情です。
これは、お釈迦さまや、キリスト、マザーテレサ、芸能人も同じです。直接何かされたわけじゃないのに、批判したり、毛嫌いするひとが必ずいます。すべてのひとに好かれるなんて、どんな偉人にもできなかったことだし、出来なくてもよいということです。
嫌われるのを恐れる理由
自分も嫌いなひとや苦手なひとがいるはずなのに、自分以外のひとが自分のことを嫌うことに、極端におびえてしまうのはなぜか?
それは、「相手も自分と同じ人間」に見えていないからです。
勝手に「相手は、誰でも受け入れてくれるすばらしいモノ」という設定をつくってしまっています。
なので、「そんなすばらしいモノに、私が嫌われるのおかしい」と考えます。
何か嫌なことをしたわけじゃないのに、自分のことを嫌うということは、自分に何か原因があるはずだと思い込んでいます。
あなたの目の前にいるひとは、「あなたと同じ人間」です。
そのことを、しっかり認識することで、極端におびえる必要はないと気づけます。
どうしても理由がないことに納得できない
それは、「2:6:2の法則」で説明できます。
2:6:2の法則とは
集団心理学の用語で「働きアリの法則」で知られています。
社会のすべてのグループは、すべて2:6:2の法則で構成されています。
上位の2割 ・・・ 生産性の高い仕事をする「優秀なひと」
中間の6割 ・・・ 自ら発言しないものの優秀なひとに引っ張られる「凡人」
下位の2割 ・・・ いつもさぼっている「怠け者」
上位2割を取り除いても、残り8割から優秀なひとが出てきます。
逆に、下位2割を取り除いても、残り8割から怠け者が出てきます。
どこのポジションが欠けても同じ割合になります。
人間関係における2:6:2の法則
上位2割 ・・・ あなたのことが好き
中間6割 ・・・ あなたに関心がない
下位2割 ・・・ あなたのことが嫌い
どんなに、部署移動しても転職しても、あなたのことが嫌いな2割のひとは存在します。
なので、そのひと達に好きになってもらおうと頑張るのは、とても疲れるし無駄な努力です。
あえて、無理やり嫌われる理由を挙げるなら「嫉妬」です。
自分が持っていないものを、相手が持っていたら、その時点で「嫉妬」が生まれます。
嫌いなひとばかり気にしてしまう理由
自分を好きでいてくれる2割のひとたちより、嫌いな2割に注目してしまうのは、「カラーバス効果」が原因です。
■カラーバス効果とは
特定のことを意識すると、無意識にその情報を集める現象のことです。
カラーバスは「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり色の認知に由来しますが、色に限らず、言葉やイメージ、モノなど、意識するあらゆる事象に対して起きるとされています。
これは「気になるもの」「意識が向いているもの」を無意識に選んで認識するという心理現象です。
同じ理由で、嫌いな人にカラーバス効果しています。自分を嫌いな2割のひとに意識が向いていると、そのひとの言動や陰口や、嫌な部分ばかりにどんどん目に入ってしまいます。
それは、相当疲れる最悪なループに入るということです。
苦手なひとへの対処法
では、どうしたら、ストレスが少ない人間関係をつくれるのか?
アプローチすべきは、フラットな中間6割です。好きな2割や嫌いな2割ではありません。この6割と関係を築いて、円滑に仕事を進めようと意識することです。
この人達が、あなたに積極的にアプローチしてこないからこそ、あなたがアプローチしてみましょう。あなたに関心がないからこそ、あなたから関心を持ってみましょう。
✕ 好きな人だけ馴れ合う
✕ 嫌いな人をどうにかする
〇 ニュートラル層と関係を築く
一番数が多い、あなたに関心がないニュートラル層と関係を築くことによって、職場が楽しくなり、仕事の効率も上がるはずです。
まとめ
職場の人間関係に好き嫌いがあって当然です。
人間は「理由もなく誰かのことを嫌いになる生き物」だからです。
あなたには、何も悪くありません。
この人とは合わないと感じたら、仕事上の事務的なやりとりだけにとどめて、無理に好かようと頑張ったり、機嫌を取ったりすることはしない。
その頑張りを、自分を好きでいてくれる人や、ニュートラル層に向けましょう。
嫌いなひとに対して「カラーバス効果」が働いていると気づければ、意識的に見ないようにすることができます。
嫌いなひとに注目して、職場全体が嫌になる前に、「カラーバス効果」をはずしましょう。
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