HSP気質を持ったひとは、5人に1人いると言われています。
僕も強度のHSPです。
職場の同僚が、気にも止めない小さいことが気になったり、ストレスを溜めやすい傾向があると、自覚していました。
HSPは生まれ持った気質で、治療することは出来ません。
では、心理学の観点から見ると、ストレスを溜めやすいひとの「考え方」や「性格」にはどんな傾向があるのか?どんな対処法があるのか?
HSPのストレスを溜めやすい考え方
同じ失敗でも、「失敗に対する考え方」や「受け止め方」は、ひとそれぞれ違います。
以下の「3タイプ」に分類することができます。
自罰型
私の責任だ。
私の力が足りなかったからだ。
ひどく落ち込み、自分を責める傾向があります。
ストレスを溜めやすいのは、この「自罰型」のタイプです。
「自分には取り柄がない」「生きていてもしかたがない」と考えやすく、うつ病を発症するリスクが高まります。
他罰型
上司が支持を間違えたから、失敗してしまった。
周りのひとが助けてくれなかったからだ。
失敗の原因を、「自分以外にある」と考えます。
ストレスを溜めにくい反面、職場の雰囲気が悪くなったり、チームワークが崩れる危険があります。
無罰型
今回は、運が悪かった。
誰がやっても失敗していた。
失敗を誰のせいにもせず、「タイミングが悪かった」「業務内容が難しすぎた」と考えます。
失敗しても反省することがないので、同じ失敗を繰り返すことになります。
HSPのストレスを受けやすい性格
ユングの性格分類
ユングは、人の4つの心の機能(思考・感覚・感情・直観)と2つの方向(外向→内向)を組み合わせて、合計8つタイプに性格を分類しました。
8つの性格類型
- 何事にも積極的で周囲の意見もよく聞く
- 周囲の言動に左右されやすい
- トラブルや悩みに弱い
- なかなか立ち直れない
外向思考型
どんなことも、そつなく確実にこなしていく「エリートタイプ」です。
このタイプは、目先のことだけにたらわれたり、人間味に欠ける面もあります。
外向直感型
ものごとの可能性を信じ、実現に全力を尽くします。
強い意欲(達成・征服・挑戦欲)がある一方で、飽きっぽい傾向があります。
外向感覚型
人生・生活を満喫するタイプです。
このタイプは、ひとりよがりではなく、周囲の人間も巻き込んで一緒に楽しもうとします。
外向感情型
周囲や社会と積極的に関わるタイプです。
周囲との調和も重視する反面、状況や雰囲気に流されやすい傾向があります。
- 自分ひとりで決断し、いったん決めると少々の問題があっても最後までやり抜く
- 自分をアピールするのが下手
- 人見知りで、周囲の人と打ち解けられない
内向思考型
ものごとを本質までさかのぼって考えるひとです。
アピールや説得がヘタで、周囲に理解されにくい。時には暴走することもあります。
内向直感型
詩人のような直感先行タイプです。
周囲には、なかなか理解されず、奇人や変人とみなされることがあります。
内向感覚型
「独自の感性」を大事にする感覚人間です。
突拍子もない言動で周囲を驚かせることが多く、なかなか理解されません。
内向感情型
感情の起伏が激しい。穏やかで物静かだが頑固なひとです。
自分の感情に行動が支配されているため、人と交わりにくい傾向があります。
ストレスの原因は3つ
ストレスの原因である「ストレッサー」は大きく分けて3つに分類されます。
環境が変化する時期には要注意です。
ストレスチェック表
ストレスをためすぎていないか、チェックしてみましょう。
各項目をチェックし、以下の点数を入れてください。
よくある | 5点 |
ときどきある | 3点 |
めったにない | 0点 |
- 最近、何事にも我慢できなくなっている
- 必要もないのに時計がきになる
- 余裕をもって行動できない
- 理屈の通らない無理な要求をする
- かんしゃくを起こしやすくなったと感じる
- 風邪、頭痛、消化不良、胸焼け、下痢、便秘などの心身的症状がよく表れる
- 飲みすぎたり、食べすぎたりする
- のんびりすることに抵抗がある
- 誰かと会話することが少なくなっている
- きまじめすぎる
- 物思いにふけりがちになっている
- すぐ口論になる
ストレスへの耐性は、親しい人が身近にいるかどうかで大きく異なります。
全てを自分ひとりで、抱え込むことは出来ません。
悩みを相談したり、グチを言い合える人をつくりましょう。
ストレスが蓄積されると
イライラや不安感、落ち込み、集中力の低下といった精神的な影響が生じます。
これらが高じて、うつ病やパニック障害(動機や発汗、頻脈が起こったり、強い不安感に襲わ
れたりする病気)などの心の病を引き起こします。
そして、身体的にも影響します。
肩こりや頭痛などの不調が出ます。
ひどくなると、高血圧、胃潰瘍、十二指腸炎の原因にもなります。
兆候に気づいたら、早めの対処が重要です。
ストレスへの対処方法4つ
ストレッサー(ストレスの原因)
ストレス・コーピング(ストレスへの対処法)
アメリカの心理学者リチャード・ラザルスの説などをもとに、4つの代表的な対処法をご紹介します。
問題解決型対処
ストレスやストレッサーを問題としてとらえ、問題解決の手法を使ってストレスを軽くする方法です。
- 問題を明確にする
- 問題の原因を探る
- 複数の解決案(選択肢)を出す
- 解決案の順番を決める
- 解決案を実行する
- 5で解消・軽減できない場合、他の解決案を実行する
◆問題解決型対処の具体例
たとえば、母親があれこれ口出ししてくることで大きなストレスを抱えている女性の例を見てみましょう。
- 母親の「支配」(問題)
- ストレッサーは母親(原因)
- 「母親と面談し、説得する」「ひとり暮らしをする」などの解決案を考える(複数の解決案)
- 優先順位をつけ、「ひとり暮らしをする」ことの決定(順番)
- 親元を離れ、ひとり暮らしをする(実行)
- 母親の過剰な介入がなくなり、ストレスが消えた(解消)
情動処理型対処
問題解決型が、常に最善というわけではありません。
以下の対処が効果的な場合もあります。
①逃避型
旅行に出かけるなど、ストレッサーから遠ざかる。
②発散型
八つ当たりをしたりして、ストレスを発散させる。
ただし、新たな問題やストレスが生じるので、賢い対処法ではありません。
③解消型
趣味やスポーツ、ゲーム、観劇など、別の行動に打ち込むことでストレスを解消する。
ただし、飲酒やギャンブルは、気分転換にたしなむ程度なら有効だが、依存など別の問題を生じさせる可能性があります。
認知的処理型対処
自分の性格や行動パターンなどを知り、ストレスが発生する前にあらかじめ手を打ちましょう。ストレスをあるがままに受け入れることで、ストレスを軽減することができます。
性格や情動のかたよりを修正することで、ストレスをコントロールする対処法です。
ストレスが発生、もしくは発生しそうになったら、心を落ち着ける瞑想法なども、認知的処理型対処のひとつです。
社会的支援型対処
自分の力・スキルだけでストレスやストレッサーに立ち向かうのではなく、周囲や専門家の力を借りるやり方です。
- 知人や友人、上司に相談する
- 家族に相談する
- 精神科医やカウンセラー、セラピスト、医療機関など。専門家・機関の助けを借りる
まとめ
ストレスの原因は3種類
①物理的ストレッサー
暑さや寒さ、騒音、花粉など
②生理的ストレッサー
病気やけが、睡眠不足、過労など
③心理的・社会的ストレッサー
会社や学校、家庭などの人間関係
ストレスの対処法は4種類
- 問題解決型
- 情動処理型
- 認知的処理型
- 社会的支援型
ストレスの原因を分類して、それぞれに合った対処方法を実践することが大切です。
漠然と受けていたストレスを整理することで、解消しやすくなると思います。
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