感じる幸せを伸ばすために、大切なのは「楽しんだり感じたりすることに、もっと時間を使ってもいい」と自分に許可をすることです。
え?そんなこと?
と思うかもしれませんが、幸せな時間がいつの間にか、「生産性がない」「無駄なもの」として、隅に押しやられていることがあります。
・自分のために感じる時間
・味わったりする時間
この時間を大切にしていいんだと思えると、成果や忙しさに振り回されにくくなります。
繊細さは、克服するものではなく「長所」として捉える。
「生まれ持った能力を活かすことができる」という考えのもとに書かれた本です。
HSP気質の特徴である「繊細さ」を受け止める
繊細さんが鈍感になろうとすることは、背の高い人が、身長を縮めようとするもので、無理に変えることはできないし、かえって自信を失ってしまいます。
鈍感になろうと心を閉ざしてしまうと、生きる上での喜びやトキメキを感じづらくなります。
心がパサパサに乾いて、楽しいってなんだっけ?という味気ない状態になってしまいます。
繊細さの良い面に気づき「心が喜ぶもの」や、「自分の本音」に目を向けることで、幸せな時間が増えていきます。
成果主義から一歩外に出る
「夕焼けがきれいだなー」と思った時には、もっと効率を上げよう、これを達成しよう、といった思考から離れて、暖かい気持ちがぽっと胸に灯っているのではないでしょうか?
心にじんわり湧いてくる幸せは、どこかを目指すものではなく、自分のこころで感じるもので「主観の世界」にあるものです。
一方、私たちが生きる世界では、「成果主義」が幅を利かせています。
これらの成果主義は「客観の世界」にあるものです。
成果を出すのは、仕事においては必要なことですが、心まで成果主義一辺倒になってしまうと、満たされる幸せを感じにくくなってしまいます。
HSP気質で「過剰に受けた刺激」をアウトプットする
繊細さんは感じる力が強く、日々暮らしているだけで、周りの人や環境から刺激を受けて、頭や体が忙しくなります。
刺激は、ストレスやトラブルなどの悪い刺激だけではありません。
友人と会ったり、旅行に行くことも刺激の一つです。
アウトプットのやり方
繊細さんは「感じる量」が多いため、情報がこれ以上入らない気がしたら、こまめにアウトプットすると心が整います。
- 自分の気持ちを文字に書く
- 絵を描く
- 電話で友達に話す
溜まった刺激や感情を、少しでも外に出すことです。
誰かと話をする時は、自分が話す方が優先です。
話を聞いてほしいのに、うっかり相手の話を聞き続けると、かえってグッタリしてしまいます。
聞いて欲しいことがあったのに、いつも聞き役になってしまう・・・
アウトプットの効果
誰にも見せない日記でも、不特定多数に公開するブログでも、「書く」という行為には、自分を知り、受け止める作用があります。
書くことは、自分の考えや存在を認めていく行為です。
誰かに自分の話を聞いてもらえるのは、嬉しいものです。
書くことは、自分で自分の話を聞いてあげるということで、自分との繋がりが強くなります。
世間のニーズより自分の本心を書くこと
生き方が変わるとき、最初に内面に向き合う時期が訪れます。
人との関りが億劫になり、ひとりでこもりたくなります。
そんなときには、こんな風に考えてしまいがちです。
休みの日にひとりでいていいの?
ブログはもっとみんなに分かりやすいものを書いた方がいいのかな?
ですが、今この瞬間にこうしたいという本心を採用してください。人付き合いが億劫になる時期があっても大丈夫です。
内面と向き合ったら、自然と心は外を向くようになります。
HSP気質と「SNS」は相性がいい
気の合う仲間を見つけたい、共感できるひとと繋がりたい。というときに発信をすることは有効です。
- 自分がすきなもの
- 思ったこと
- 感じたこと
をSNSで発信することで、仲間に出会えます。
①広い世界で仲間を探せる。
②一度会っただけでは、なかなか話せない心の深くまで発信できる。
この2点から繊細さんにとって、SNSは相性のいいツールです。
SNSであれば、
- まずは自分の内面に集中して思うことを書く
- それを発信する
という2ステップに分けられるので、対面より自分のペースを保ちやすく、落ち着いて表現を追求できます。
発信することって良いことだったんだ。
好きなことを発信する
SNSで仲間に出会うには、周りに合わせて発信するのではなく、自分がいいと思ったもの、本心から出てきたものを発信してください。
- 道で見つけた花の写真
- 心についての考察
- とにかく自分がすきなもの
- 思ったこと
- 感じたこと
文章や絵、写真などで発信することで、価値観の近い人たちが、あなたを見つけやすくなります。
発信し、誰かから反応をもらえるのは嬉しいことですが、他の人に認められること、大勢に見てもらうことが目的になってしまうと、表現の幸せが制限されます。
自分が本当にやりたい表現からズレてしまい、楽しくなくなってきます。
- 世の中に求められること
- 自分がやりたい表現
2つのバランスをどうするかは、発信するなかで多くの人が悩むテーマです。
これを整理するために、表現のスタイルを見てみましょう。
表現は2つのスタイルがある
「呼応」(こおう)と「深掘り」です。
呼応 周りのニーズをキャッチして、打ち返していく方法
深掘り 自分を出発点として、ひたすら内面を掘り下げていく方法
繊細さんにおすすめするのは、呼応ではなく深掘りです。
深掘りで発信することは、「本当の自分で」人と繋がっていくことだからです。
相手のニーズに合わせすぎると、本当の自分ではなく、「〇〇をやってくれる人」という役割で周りと繋がってしまいます。本当の自分で人と繋がろうと思ったら、まずは自分が自分と繋がり、その自分でもって周りの人と繋がる必要があります。
発信を楽しめなくなったり、発信することに違和感が出てきたら、いいねの数や読者の反応ではなく、まずは表現する時間そのものを大切にしてみてください。
ついつい、いいねの数を気にしてしまう・・
HSP気質の「共感する力」幸せのために活かす
繊細さんは、相手の気持ちや状況によく気が付くからこそ、相手を思いやれますが、相手をケアするばかりでは、人と一緒にいるのが負担になります。
だからこそ、この人といたらしんどいなと思う相手とは距離を取り、一緒にいたら元気が出る相手、のんびりとくつろげる相手と一緒にいる必要があります。
自分が満たされることで、心が安定し、これまでと違うモチベーションで周りを思いやれるようになります。
気の合う人を見つける方法
本音を話せるひと、気の合う人を見つけるには、どうしたらよいか?
- 自分の思いを発信することで、仲間に見つけてもらう
- 小さいことからでいいので、やりたいことをやること=「自分から見つけに行く」
やりたいことをやりはじめると、自然と気の合う人と出会えるようになります。
ここで言う気の合うとは、単に趣味が同じという意味ではなく、「大切なもの、人生の時期が似ている」人との出会いです。
つまり、やりたいことをやっていると「人生の同期」と出会えます。
「わかりあう」を手放して、いろんな人と笑い合う
職場でも、友人やパートナーに対しても、気持ちよい人間関係を築くポイントは、自分も相手も自由にしておくことです。
相手とケンカになる時や、やりとりがしんどいときは、もしかしたら根底に「わかりあいたい」という思いがあるのかもしれません。
「わかりあいたい」と言いながら、「私と同じ考え方や、感じ方をしてほしい」と求めてしまっていることもよくあります。
わかりあうことを手放すと、考え方や感覚が違う相手とも、いい関係を築けるようになります。
「わかってほしい」「共感してほしい」などは、すべて相手に対するコントロールです。
それを手放すことで、自分も相手も自由になります。
自分の考えや、やってほしいことを伝えるところまでが「自分の領分」
伝えられたことに共感するかどうか、納得するかどうかは「相手の領分」
相手が自分で決めることです。
まとめ
この本は、繊細さんの悩みと解消から一歩進んだ、「その先」について書かれた本です。前回の「繊細さんの本」で、HSPという特性があることを理解しました。
では、繊細さんとして生きていく上で、幸せになるためには。毎日心穏やかに過ごすためにはどうしたら良いかが書かれている本です。
心にストンと府に落ちる言葉が何度もありました。
同じ出来事が起きても、感じ方は人それぞれです。
それを忘れそうになった時に読みたい本でした。
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